鈴木清へのご意見書き込み帳
研究内容その2(?) - 鈴木
2018/11/01 (Thu) 13:48:37
Wikipediaの「乳化重合」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%B3%E5%8C%96%E9%87%8D%E5%90%88
において、Smith Ewartの理論について誤解を生じる表現が多かった。具体的には、Smith Ewartは上記理論の原著論文:
Smith, Wendell V.; Ewart, Roswell H. (1948年6月). “Kinetics of Emulsion Polymerization”. The Journal of Chemical Physics 16 (6): 592–599. doi:10.1063/1.1746951. ISSN 0021-9606.
において、Case 1やCase 3についても明確に述べているのに、あたかもCase 2が「理想的な乳化重合」であり、それのみについて述べたかのように記されていた。
原著論文では、彼らは、Case 2が"the case of outstanding interest"と述べているが、理想的(ideal)とは述べていない。
そこで、本日(2018/11/1に)、私が上記のページを修正した。今後、また修正されるだろうが、Smith Ewartの名誉を傷つけるような表記がなされないことを祈る。
Wikipediaの「フローリー・ハギンズ理論」に誤り(?) - 鈴木
2020/01/22 (Wed) 16:36:21
https://ja.wikipedia.org/wiki/
の
フローリー・ハギンズ理論
に
<<引用>>
低分子溶液の標準モデルが2種類の玉を格子に詰める場合の数から混合エントロピーを導き出したように、フローリー・ハギンズ理論では数珠状につながった玉(高分子)とつながっていない玉(溶媒分子)を考えることにより、混合エントロピーを導く。この理論では N0 個の溶媒分子(モル数 n0 )と x 個からなる N1 個の高分子(全セグメントのモル数 x n1 )に対し
<<中略>>
混合エントロピー ΔSは以下のように定式化される。
ΔS = - R ( n0 ln ϕ0 + n1 ln ϕ1 )
ϕ0、ϕ1は体積分率で ϕ0 = N0 / ( N0 + x N1 ), ϕ1 = x N1 /( N0 + x N1 ) ( ϕ0 + ϕ1 = 1 )である。
<<中略>>
よって自由エネルギーの変化は、
ΔF = R T ( n0 ln ϕ0 + n1 ln ϕ1 + χ n0 ϕ1 )
と表せる。
<<中略>>
上の式により、溶媒の化学ポテンシャル μ0 が得られる。
μ0 - μ0∘ = ∂ΔF / ∂n0 = R T [ ln ϕ0 + ( 1 + 1/x ) + χ ϕ1^2 ] , μ0∘ は純状態での化学ポテンシャル
<<引用は以上>>
と掲載されていた。
明らかに、N0 = n0 NAである。ただし、NAはアボガドロ数である。
また、N1 = n1 NAである。
上記のϕ0、ϕ1の定義と合わせて考慮し、上記のΔFをn0で偏微分すると、
μ0 - μ0∘ = ∂ΔF / ∂n0 = R T [ ln ϕ0 + ( 1 + 1/x ) ϕ1 + χ ϕ1^2 ]
となる。すなわち、上記の引用部分の
μ0 - μ0∘
を表す右辺の( 1 + 1/x )に ϕ1 を掛ける必要がある。
そこで、本日、そのように修正しておいた。
Runge-Kutta-Fehlberg法 - 鈴木
2022/09/16 (Fri) 17:54:48
Web上の情報は信用しない方が良いです。
間違いも多いです。
でも、Googleで検索してみました。
https://slpr.sakura.ne.jp/qp/runge-kutta-ex/#rkf45hauto
や
https://qiita.com/sotahi/items/722c9238a60c101183a2
が見つかりました。
前者ですが、引用すると、
「[5~9]によれば、ルンゲ=クッタ=フェールベルグ法において区間iでの最適な刻み幅h′は区間iの誤差評価の結果を使って、」
と記されています。
その直後に、
h' = (εh/(2|xi(5)-xi(4)|))^(1/4)
と記されていますが、おかしいです。
hは数値計算上は無次元でしょうけれども、意味を考えれば、hの次元とhの次元は同じはずですから、
hは(1/4)乗の外に積として掛かっているはずです。
その少し後で、(1/m)乗の式も掲載されていますが、同じ間違いが記されています。
そこで、その参照元である
[5]Runge-Kutta-Fehlberg Method (RKF45)
http://mathfaculty.fullerton.edu/mathews//n2003/RungeKuttaFehlbergMod.html
[6]Runge-Kutta-Fehlberg method
http://www.math.montana.edu/~davis/Classes/MA442/Sp07/Notes/RKF_ABM.pdf
[7]Lecture:13Runge-Kutta-Fehlberg Method
http://uqu.edu.sa/files2/tiny_mce/plugins/filemanager/files/4160172/Lecture13.pdf
[8]GPU acceleration of Runge Kutta-Fehlberg and its comparison with Dormand-Prince method
http://scitation.aip.org/content/aip/proceeding/aipcp/10.1063/1.4887558
[9]William H. Pressら著『ニューメリカルレシピ・イン・シー 日本語版―C言語による数値計算のレシピ– 』(1993)
を参照したいのですが、[5]と[6]と[7]はリンクが切れています。
[8]を見ました。やはり、私の推測どおりです。
前者のサイトには、コメントを残すことができたので、間違いを指摘しておきました。
2022/9/18追記
返答がありました。「(1/4)乗か(1/5)乗か議論があるが間違いとは言えない」のような返答でした。
私の指摘したかった内容が伝わっていないようです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Runge%E2%80%93Kutta%E2%80%93Fehlberg_method
について返答されていました。
そこで見てみても、やはり、
新しいhの値は、hに比例しています。hは(1/5)乗にはなっていません。
そこで、さらに詳しく指摘しておきました。
さてさて、今度は気づいていただけるでしょうか。
さらに、別のところで、タイプミスを見つけたので、それについても指摘しておきました。
https://en.wikipedia.org/wiki/Runge%E2%80%93Kutta%E2%80%93Fehlberg_method
の方が良さそうです。さすが、英語Wikipedia。